少しづつ暑い季節がやってきました。
暑さで食欲減退の季節は冷たいうどんが食べたくなる!ということで、
一般的には売上UPが見込める時期ですが、
うどん店にとっては暑さで減量中のボクサー並みに体力を削がれる季節でもあります。
そんな季節に重要になってくる厨房機器の選定についてお話しようと思います。
厨房機器の選択1つで、うどん店の成功確率がグーンと上がるかも?ですし、
夏に負けず元気に営業できるかも?という
実は知られていない情報をお伝えしたいと思います。
まずはうどん釜について!
うどん釜には大きく分類して四つの釜があります。
スタンダードなうどん釜となります。
バーナーは20000kcalのものを1層につき(各槽1個)使用します。マルゼンの型番ではMG-290Bが推奨バーナーとなります。
メリットとしては導入コストが安い。 一般的なガス工事のみでの設置なので、プロパンガスの設置場所さえ図面に入れておけば誰でも設置が可能
デメリットとしてはとにかく熱い。やけどをする。 熱交換率は悪い。飲食店全体を温めてしまうので、夏場のエアコンが効かない。
よって大型のエアコンが必要となる。 重大事故のケースとしては、釜に水をためないまま、加熱してしまう。そうすると釜がすぐ割れてしまい、何日か営業できない。修理代が高い!
ガス釜は丸釜と角釜がありますが、構造上、丸釜は排水管がなく、上部から桶などで排水するしかありません。 よって水抜きが大変面倒です。
丸釜に良くあるトラブルとして、営業終了後、釜の湯を桶で掻き出すのですが、その掻き出した時の水はねでが他の厨房機器に付着して徐々に錆びていく、
4~5年という長い年月では台下冷蔵庫の底が抜けてしまうという事もありました。 釜の水は塩水ですので、腐食に強いステンレスでさえも年数がたてば腐食します。
排水時の水はねには十分気を付けて下さい。
四国厨房が一番販売しています。通常のうどん店に導入する釜で50A 程度が必要になります。
メリット 電気で沸かすので熱くない。 フードコートなど火災の原因になる火器が禁止されている場面などで効果を発揮する。
デメリット 電気代が結構かかります。また導入コストも圧倒的に高いです。通常の飲食店使用電圧では基本的に電量が足りなくなるので、電気量を増やす工事をしなければいけなくなり、大型のお店ではキュービクル また麺のイメージが大きく変わってくる。 どちらかというと、柔らかくねっとりとした感じの麺になるので、コシを重視する麺質よりは、アミロ値の高い粘り気のあるモチモチ重視の麺をお勧めする。
通常の低圧契約ではなく、工場などに使われる高圧電力の契約をしなければならず、キュービクル(受電設備)の設置が必要になったりもします。キュービクルは設置に80万程度かかり、毎月の点検保守費用が発生します。電気代は低圧契約よりは安いです。 電気釜の導入ありきで考えると、最後には莫大な費用になる場合がありますので、十分、全体のイメージをしっかりとして導入して下さい。
蒸気の力によって圧倒的な火力を発揮します。 カロリーベースだと、ガス釜の3~4倍のパワーを同じ光熱費で発揮できます。 四国厨房で制作が可能
メリット 熱くない。圧倒的に短い湧きあがり時間 どんな連続投入にも耐えれるので冷凍麺を使う店舗やセルフサービス店で圧倒的に支持されます。
導入店舗が少ないので上記釜が売りにもなります。 熱交換率が圧倒的に高く、ランニングコストが安いのが特徴です。
デメリット 蒸気配管の基礎知識が必要になりますが、飲食店の知識とは別の知識が必要となる為、
基本的には工務店ではまず施工することができません。工務店から「出来ます!」と言っても信用しないでください。今までその言葉を信じて、巨額の損失を出したり損害賠償の裁判になったという事例もあります。
蒸気配管は蒸気配管専門の工事会社が必要になります。また簡易ボイラーが必要になるので、初期コストがかかります。 大型のボイラーは免許が必要なのですが、簡易式は必要ではありませんし、どんなに大型のうどん店でもそこまで必要ありません。 ボイラーの設置場所からうどん釜までの距離が離れれば離れるほどコストがかなりかかる。 田舎のロードサイド型であれば十分検討できるかと思いますが、都市部では野外にボイラーを設置したりしなければならないので、おススメできません。
当社は蒸気釜や蒸気配管の施工実績が十数件あります。 蒸気釜を検討されるようであれば当社にご連絡ください。
2気圧程度の圧力まで加圧することにより、沸点を120度まであげることができます。 選定のポイントは着脱のしやすさがポイントで、圧力の上限によって蓋のロック方法が変わってきますす。 2気圧以上の圧力釜は基本的にかなりがっちりとしたホールドが必要になるので、蓋の着脱がしにくくなっています。
メリット 圧倒的な茹で時間の短縮が可能です。15分の麺でしたら、5分で茹で上がります。また麺質はかなりふっくらになり、今まで味わったことのない食感が可能になります。
また、うどん店で圧力釜を使用している店舗は全国で数店しかありませんので、 圧倒的な宣伝文句が可能です。
デメリット 一度釜の中に入れると麺がどのような状態かが確認できません。 よって見て、食べて、触って判断するという一般的な状態確認ができません。
出来るのは時間でのコントロールとなります。 また、釜の量が必然的に小さいので、一度に入れる麺の量が固定され大量にさばけません。
また麺の塩分が抜けてきたり、打ち粉が溶けてお湯がドロドロになったり塩分が上がってくるので、通常は足し湯をしながら茹で上げるのですが、
それが出来ません。ですので、無塩うどんや打ち粉を減らした麺、中力粉ではなく、強力粉を使用したり、
圧力釜を何台も並べるなどの方法で、デメリットをどれだけ打ち消していくかがカギとなります。
それらの理由からセルフサービス店ではまず不可能です。 フルサービス店で一杯一杯 精魂込めて作るがその分のお金を頂くというビジネスが適しています。
寸胴鍋と言っても用途により材質の使い分けが必要になります。アルミニウム、ステンレス、銅、アルマイトやモリブデンとさまざまです。
特徴と用途に応じて材質をお選びください。寸胴に書いてあるメモリは適当な場合が多いので、この部分も気を付けてください。
購入後は必ずすべて計量し、メモリが正確であるか確認してください。 そういった部分も含めて 寸胴は規格の統一をお勧めします。
アルミニウムの酸化被膜の代わりにアルマイト皮膜をつけたものがアルマイト加工製品と呼ばれます。アルマイトはアルミや鉄、銅といった材質ではなく、メッキ加工同様、表面加工方法のひとつです。アルマイトはアルミニウムに比べ、さらに“硬度があり丈夫”な商品です。
他の材質の寸胴に比べて安価であることが特徴です。ステンレスに比べて熱伝導に優れます。またアルマイト加工された商品は表面の傷や酸化に強いという特徴があります。半面、ステンレスに比べて①傷がつきやすく変形しやすいく、②焦がした時に汚れを落としにくいというデメリットがあります。飲食店を開業する場合どうしても単価が安いという理由で、このアルミニウム寸胴を購入する場合が多いですが、基本的にはあまり購入をお勧めしません。
ステンレスは鉄が主成分の合金鋼です。鉄と違い「錆びにくい」のが特徴。耐食性に優れ、シンクや作業台のほとんどにステンレスが使われています。
反面、異種金属との接触と湿気や結露などで“もらい錆”が発生する事があります。使用中はなるべく接触を避けましょう。
ステンレスは合金鋼のため、ニッケルの含有が高いほど硬質にもなり、金額にも比例します。一般的なステンレス(18-8)はクロムとニッケルが含まれていますが、硬質アルミニウムやモリブデンを含有しているモリブデン製品もあります。
ステンレス寸胴の特長はアルミニウム寸胴の逆で、比較的高価で熱伝導に劣るという点が挙げられます。しかし、熱伝導率の悪い反面、一旦温まると蓄熱性に優れます。また低い熱伝導性を補うためにアルミや鉄などの他の材質と合わせた多層構造のものが多数存在します。
焦げに関してもお酢や重曹で煮沸したり、塩素系漂白剤を使うことで比較的容易に落とすことができるメリットがあります。
こういった特徴からカレーやコーンスープ、シチューなどの煮込み料理におすすめです。
モリブデンは汚れにも強く、耐食性にも優れた、高級なステンレス素材です。
ステンレスに含まれるニッケルを増量し、レアメタルでもあるモリブデンを添加した材料。これにより通常のステンレスよりも錆びにくく、穴あき等から鍋肌を守る強い材質になります。ソースポットやたれ入れなど、酸や塩分の強いものを入れておく容器に多く利用されています。